ショーシャンクの空に

見た映画:ショーシャンクの空に(1994年)

監督:フランク・ダラボン

主演:モーガン・フリーマン、ティム・ロビンス

感想:
ぎすぎすした毎日を送る私には、希望なんてないに等しくって
この映画を見て「希望」なんて忘れかけていた言葉を思い出せたような気がする。
この映画、昔見たときは、自分の彼氏になる人に見せたい映画だった。
希望だけは、しっかり持って強く生きる男であってほしいと思って…
でも、今は、自分のためのバイブルのようなカンジかな?忘れてはいけないこと、自分の人生は自分しか築けないことを改めて教えてもらったような気がする。

終身刑は人を廃人にするというセリフがとても悲しかった。
50年も刑務所にいて、まるで変わってしまった社会に急に出ていけ!と言われてなじめるわけがない。会社が変わっただけでも、なかなか馴染めなかったりするんだから。50年も外の世界をみたことない人が、たった一人ぼっちで老いた体で、そんな未知の世界に放り出されたって、ただの廃人だよ。あの孤独感、そのときの不安なんて、計り知れないと思う。自殺してしまう気持ち、分からなくもなかった。ダメだよ!って思ったって、それは他人事だからなんだよね。自分がその立場だったら、やっぱり生きていく価値も見出せず、私も同じ道を歩んでしまう気がした。やはり、楽になりたいと…私には、希望なんてないのかな?

そんなことを思いながら見ていったけど、やはり最終シーンで、希望を捨てずにいるアンディーを見たとき、人生って自分が生きたいように生きた人の勝ちなんだなって思った。二人が再会したときの、輝かしい笑顔がそれを物語っているように感じたんだ。人生の明暗は、やっぱり自分でしか選べないんだ。


自分のための覚書:
ティム扮するアンディーが、奥さんとプロゴルファーを殺した疑いで、ショーシャンク刑務所に1947年入所する。彼は、元銀行の副頭取だった。
一方、モーガン扮するレッドは、20年もショーシャンク刑務所にいる囚人で、囚人たちの調達屋だった。
アンディーは誰とも話すことなく過ごした。1ヶ月後、初めてレッドに話しかけてきた。「ロックハンマーを頼みたい」と。それが初めて交わすまともな会話だった。彼が頼んだ7ドルのロックハンマーは、脱獄するには600年もかかりそうな小さな小さなハンマーだった。
元銀行マンのお坊ちゃまアンディーは、ボグズと言う男に狙われ、何度か犯されてしまうことに。彼は、そのたび抵抗した。そのため、いつも傷が絶えなかった。そんな生活が2年も続いた頃に、所長が刑務所の屋根を修理するために、12人の囚人を指名した。そのメンバーには、アンディーもレッドも入っていた。アンディーを指名するために、レッドがタバコで買収したのだった。
屋根の修繕中に、看守の鬼主任が、35,000ドルも相続したが、たいていが税金に持っていかれることを愚痴っていた。その愚痴を聞いた元銀行員のアンディーが「妻への贈与をすれば、非課税になる」と提案し、さらに「贈与の書類は弁護士代が高くつくから、僕がタダで書きます。但し、仲間にビールをご馳走してください。」と条件をつけて…アンディーの仲間たちは、このおかげでほんのひと時の幸せな時間を過ごすことに。
ある日、アンディーは、レッドにリタ・ヘイワースのポスターを発注する。しかしその後すぐに、ボグズにつかまり口答えをしたために半殺しとなり、1ヶ月診療所生活を送ることに。一方のボグズは、懲罰房へ。しかし懲罰房から、自分の房へ帰って来るとそこには、あの鬼主任が…ボグズはその場で、叩きのめされ一生流動食しか食べれない体にされてしまった。おかげで、それ以降アンディーは、平和な毎日を過ごすことに。
所長は、鬼主任から彼の経理の才能を評価し、図書係に任命する。あくまで仮の姿で、実際は看守達の資金相談窓口と主に所長の資金繰りを担っていた。架空の男の出生届やドライバーズライセンスまで作って、所長に得をさせようと、架空の男の口座を作って資金をやりくりしていた。
同じ図書係のブルックスは、とても優しいおじいちゃんだった。しかし、仮釈放が近づくと思いも寄らぬ行動に…仲間の一人を羽交い締めにし、殺そうとしていたのだ。動機は…刑務所に50年もいたブルックスが、刑務所から出たところで白い目で見られるだけ。終身刑とは、人間を廃人にする刑だとレッドは言った。
そして、ついに仮釈放の日が。ブルックスは、仮釈放生活が不安だった。一人での孤独な生活。慣れない外の世界。嫌われた店長の元でのスーパーの店員。その不安に打ち勝てず、彼は首を吊って自殺する。「BROOKS WAS HERE」(ブルックスここにあり)と壁に書き残して。
図書係に任命されていたアンディーは、6年間州知事に図書の経費を上げてもらえるよう、毎週毎週手紙を書いていた。ある日、州から手紙と中古図書が届く。200ドルの経費がもらえたのだ。その後も、手紙を書きつづけたせいか500ドルまで経費を上げてもらえた。その経費をすべて利用して、立派な図書館を完成させる。その頃、トニーという若者が2年の刑で入所してきた。彼は、妻子持ちで高卒の試験を受けようと、アンディーの元でがんばった。しかし、イマイチの結果にアンディーの前で、大声をあげその場から立ち去ってしまう。そのことをレッドに話すトニー。彼をがっかりさせてしまったと後悔して…レッドはそんなことでがっかりする男じゃないよ。と説得した。「彼は、なぜここに?」の問いに、レッドは「妻とプロゴルファーの愛人を殺したんだ。」と答える。その話を聞いたトニーが自分が前にいた刑務所に、新入りが来てその男が、その二人を殺したと話しているのを聞いたことがあると、レッドとアンディーに話した。アンディーは所長にそのことを話すが信じてもらえず「愚鈍だ!」と言ってしまう。その結果、1ヶ月の懲罰房行き。その間に、トニーは高卒の資格を取る。しかし、その夜に所長に呼び出され、中庭に向かうトニー。そこで、アンディーの話になり「彼が再審になったときに、君は神に誓って本当にことが言えるのか?」と問われる。トニーは「神に誓って言える」と言った次の瞬間、射殺されてしまう。アンディーは懲罰房でその話を聞かされ、さらにまだまだ所長の元で働くことを命じられる。アンディーは恐らく、自由のためにガマンしたんだと思う。
懲罰房から出たアンディーは、レッドと話す。仮釈放になったら、バクストンの牧草地にあるかしの木を探すように。そして、その木の下にある黒曜石のしたを見てくれと。彼は、ここを出たら、ジワタネホと言うメキシコの太平洋に面した町で、ホテルを営み、中古の船を持ちたいと話した。
その翌朝、点呼の時間に彼の姿はなかった。彼は、あの脱獄には600年かかるだろうと言われたロックハンマーで、19年という短い歳月で脱獄するためのトンネルを掘ってしまったのだ。前日所長にぴかぴかに磨いて置けといわれた靴とスーツを盗んで。そして、最後の帳簿を摩り替えて…
アンディーは、その帳簿と自分が彫ってきた石をビニールに入れ、靴に縛り付けてそのトンネルをくぐった。臭い臭い下水を這って…自由を手に入れたのだ。
彼は、所長の資金繰りのときに、架空の人物を作っていたが、最後に摩り替えた帳簿類には、その男のドライバーズライセンス・出生届・サインがあったために、所長のお金37万ドルを簡単に手にする。その足で、新聞社に出向き、ショーシャンク刑務所所長の不正を訴えてしまった。鬼主任はすぐに逮捕されるが、所長はそんな男ではなかった。彼は、自殺の道を選んだのだった。
それからしばらくして、レッドは40年の服役後ようやく仮釈放となる。仮釈放後は、ブルックスと同じ部屋に住み、同じスーパーで働くことに。そして、彼もブルックスと同様に不安を覚える。そんなとき、アンディーとの約束を思い出し、バクストンのかしの木を探す。黒曜石のしたからは手紙が。「ジワタネホで手伝ってほしい仕事がある。」「希望は素晴らしい。何にも替え難い」「希望は永遠の命だ」と書き連ねてあった。レッドは考えた。ブルックスとは違う結果を導いた。彼はアンディーの待つジワタネホへバスに揺られて、向かうことに…「BROOKS WAS HERE SO WAS RED」(ブルックスここにあり、レッドもここにあり)と壁に書き残し…
二人は、太平洋に面した土地で、自由を手に再会する。


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